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炭酸ガス溶接用レギュレターの検証
左はダイヘンなどで純正として使われているユタカの自然放熱式レギュレター.
右の中華の一般的なものと比べて,ふた周りほどデカい.そして重い.質感もさすが本物という感じがする.
ユタカのメーターは流速計であって,残圧計ではない.
まぁ炭酸ガスは液体なので,普段は常に5Mpaである.液化部分がなくなってから残圧が急に落ち始めるので「いきなり無くなる」感じ.
どうせいきなり無くなるなら残圧計意味なくね?という発想だと思う.
あと,中華に比べて,ユタカはボンベを閉じてから残圧が落ちるまで,レギュレター~ホース内にかなーりガスが残ってしまう.
それ以外は実務においてまったく問題はないが,私はこれがイヤなので,普段は中華の方を愛用している.
ちょっとだけ溶接したい時とかガスがものすごく無駄になるからな.
中華製はAC36Vが必要なのだが,分解して内部を調べたところ,単なる抵抗の様だったので,DCでも問題ない事になる.
しかも,そもそも溶接機のレギュレター用36Vは,「溶接している時のみ通電する仕様」なので,トータルの熱量はそう高くはない.
つまり,常時通電させておくなら36Vも必要ない訳だ.
という事で手元のACアダプタを色々物色.
実験の結果,DC18Vでは適温よりやや高い目.12Vでは適温よりやや低い目を維持している様に感じられた.
結論として,DC12Vアダプタでもまぁまぁ問題なく使えるが,連続使用が多い場合は18Vの方が安心である.
そもそも,何をもって適温とするかという問題があるが,後述の東安製レギュレターを参考に,飽くまで体感である.
レギュレターは36V仕様なのに100Vそっくりのプラグがついている.
私は無改造で使える仕様にしたので,直結にせず,アダプタ側をコンセントとした.
これで実用上,全く問題はない.
見にくいけど,これは東安のもの.100Vヒーター付きで常時通電.かなり温かい状態を常にキープ出来る.凍結はありえない.
口金は国産仕様なのでそのままボンベに繋がる.
ただ,テフロン製のパッキンがクソで,使わない時は二次圧を落としておかないと絶対パッキンが圧に負けて変形,ガス漏れがはじまる.
いや二次圧を落としておくのはどんなレギュレターでもそうなのだが,東安製は特にひどい.
しかもパッキンが純正では手に入らないので,私はこのレギュレターは絶対に,絶対にお勧めしない!
その他の東安製品(溶接ワイヤーなど)は気に入って使っているのだが.
変換アダプタについて
中華製レギュレターってそのまま国産に繋がらないんでしょ?
はい,繋がりません.ただ,変換アダプタというものがある.
使えそうなアダプタでお勧めに出てくるのが以下の二つ.
- W22-15
- W21.8-14
国産ボンベの口径そのものはW22なのだが,正解は 後者じゃないと繋がらない です.
私自身が人柱なので間違いない.
変換を噛ませる事によって,確かに不安要素がひとつ増す事にはなるのだが,パッキン部分の出来が東安製よりはるかに優れていて,ちゃんと締めればガス漏れはしません.
いや可能性としては漏れる事はあり得るけど,東安製よりはるかに確率は低く,変換を使ったほうが私は信頼出来る.
業務用から中華製まで,現時点で市場で手に入るものを実際に一通り使った私の感想です.
炭酸ガス溶接を導入しようと検討中の人は参考にしてみて下さい.
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