グラインダーを改造してベルトサンダーを自作してみた
ベルトサンダーって売ってる種類が少ないですよね?
あったとしても木工用の回転が遅いやつが殆どで,鉄工で使える切削速度に到達していない.
もしくは幅が狭い玩具みたいなやつばかり.
逆に,刃物のベベル作りに使える様な本気のやつは,五万円くらいは軽く超えてくる.
という訳で,ちょうど良いくらいのやつを,格安で作ってみたので,紹介します.
なにはなくともまずはドライブホイールがないと始まらない.
ホールソーで切り出した木材とナットを複数溶接したもの.
別に高ナットでも良いと思う.
ある程度サイズを合わせる為,回転vs回転で削る.
旋盤が利用出来る人は旋盤で.
ベアリング.
50年以上在庫していたものなので,グリスが固着してまったく回転しなかった;;
洗い油(灯油)に漬け込んでなんとか復活.
当初,この様なトラッキング機構とテンション機構を同時に実装した構造を作った.
ベルトもアングルもベアリングもすべて50mmなので,ワッシャ分この様にオフセットさせてベアリングを搭載する.
一応,この状態でも動作するのだが,後部ベアリングはスプリングのテンションのみでサスペンドしている為,不安定.
なんらかのレールに沿って前後方向に動くだけで,上下方向にガッチリ剛性があるなら使えたと思うが.
しかし,今更その様なレール構造を搭載するスペースはなさそう.ただでさえテンション調整とトラッキング調整をひとつにまとめているので.
よく見ると解るが,ドライブホイールと前部ベアリングのあいだに,ナットが見える.
これがトラッキング機構.
調整ボルトに小さな穴を開けて,ワイヤーでグラインダーと接続している.
グラインダーそのものを左右に振ってしまえという考え方.
稼働機構はスプリングとボルト&ナットである.
テンションは,ドライブホイール(==グラインダー)の取り付け位置の上下調整で行う.
が,殆どピッタリに作っている為,テンション調整はほぼ不要となった.
テンションホイール追加の為の支点になる穴を開けているが,未実装.
振動で動くので,テーブルで使う場合はクランプで固定する必要がある.
50年以上前の祖父のグラインダー(三相200V).
のちにこれもレストアする事になるのだが,とりあえずこいつの台座を流用する.
制作してから約一年.毎日便利に使っている.もうコレ無しの生活には戻れない.それくらい便利.
アングルやパイプ,鉄筋などの錆取り,端面の処理など,スイッチひとつで手軽に作業出来るのが良い.
特にナイフのベベル造りには必須.
問題といえば,上面を使う場合,一般的なものと回転が逆なので,切子は自分のほうに飛んでくる.が,自分の立ち位置的に斜め方向から使うので問題なし.
自作する場合は参考にしてみて下さい.
ちなみに,私の目線で,鉄工用でかろうじて使えるかな?と思える手頃な価格の市販ベルトサンダーは,現時点で市場に唯一コレだけしかないです.
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