ローターストッパー
この様に切ったマジックテープをボディ上部の円周に貼り付ける.
そのフリクションで「ローターストッパー」が実現出来る.
この様にベールを返した時だけがっちり固定され,ハンドルは回転しなくなる.別になくてもキャストに支障をきたす事はないが,あって損はない機能である.
完成
全てを元通りに組み上げる.
2506なので PE は0.6から0.8号が妥当である.ライトショアジギング用であろう.
ベアリングは現在 5BB だが, オシレート部に+1,ハンドルを交換すれば +2 出来るので 最大 8BB という事になる.
幸いこの個体の場合,部品の交換は全く行う必要はなかったが,ゴリ感がある場合などはメイン&ピニオン交換をはじめ,ローターやベール周りでもガタが生じて要交換とゆうパターンも多い.
が,安物リールの場合は保守部品そのものが安いので大した出費にはならない.
以上のメンテナンスで,剛性感,なめらかさ,ドラグ性能など,まったく問題ないレベルに復活した.
経験上で言えば,アルテグラクラスと比べても気になるほどの差異は感じられない.太刀魚,港湾シーバス,小型青物程度までなら十分な性能である.
余談
いかがであろうか?
私の考えでは,魚は値札を見て食ってくる訳ではなく,リールに高いも安いもない.
安いリールの利点は「保守パーツが安い事」であり,自分でメンテナンスと調整,ベアリングの追加を施せば,デメリットは特にない.
安物リールは,設計がまずいから安い訳ではなく,むしろ基本設計がしっかりしているからこそ,ここまで簡略化,低コスト化出来るのであって,上位モデルからベアリングを抜くなどのデチューンを施して差別化を図っているに過ぎない.
一生に一度しか出会えない魚と対峙し,いざ勝負となった時に,信頼出来る道具を使っているかどうかは,高いか安いかではなく「その道具をいかに熟知しているか」に掛かってくる.
もし「安物リールを知った上で」それが使えない水準であったならば,私もそう判断して迷いなく捨てている.が,そうではないから使っているのである.
安物リールで魚が獲れないのは,単に腕が悪いだけであろう.
「金をかけるのは魚に近い順」が鉄則であり,第一はルアーと誘い方,次にラインと続く.リールは最後で良いのだ.にも関わらず,皆リールから金を掛けたがる(笑).それは素人だからなのだ.
近年,業界のトレンドは「防水性」と「メンテナンスフリー」であり,分解禁止のマグシールド,ユーザーの利便性を無視した逆転レバーの排除など,メーカーの迷走も甚だしい.
「海ではすべてが自己責任」がルールである.
メンテナンスも人任せ,魚を探すのも人任せでは,ガチのルアーマンの基準で言えば「自分で獲った事」にはならない.
道具を自分でメンテナンスし,とことん通いつめて海に聞き,自分の足で魚を探し,腕でとる.
私はそうやって一昨年一人でサワラ81cm もブリ83cm もオカッパリで獲ったが,リールはシマノ最安のアリビオであった.誰にも文句を言わせるつもりはない.
※極限までフィネスを追求した「アジング」にだけは高いリールを使わざるを得ないので使っているが,それに比べてショアジギなんぞはリールもこの程度で十分である.
以上,腕に覚えのあるアングラーに参考にして頂けたら幸いである.
ベイトリールのメンテナンスはこちら.