淡路島へ.
キャンプ道具を持って行かないので,厳密には,分割日本一周へのシェイクダウンとは言えない.
が,大阪からのフェリーが相次いで廃線となった今,しかも両端の橋が「高速道路」である淡路島は,今やチャリ乗りにとっては外国も同然であり,冗談抜きで「ホノルルセンチュリーライドツアーの方が手軽じゃね?」という程であり,いまクリアしておかないと,この先も走らない様な気がした.
という訳で,WEB で得られる情報を元に,フェリーで一旦四国へ,そこからバスで淡路島に渡る方法を考えた.
フェリーにチャリを積むと 600円余分に掛かる.
車の前後に乗り降りする事になるので,場合によっては待たされると思われる.
手荷物として持ち込めば,タラップからすぐに乗れるし,なによりタダである.
キター!
もっとしょぼいのを想像していたが,デカすぎ!
10t 以上のトラックが数えただけで13台出て来た(笑).
5:50発のフェリー.
乗り込んでみた.
待つ事二時間.四国が見えてきた.
GPS のルートには,和歌山港と徳島港を仮に直線で結んだものを入れておいたが,フェリーがその線の上をまっすぐ走って行ったのには驚いた.
そりゃ,海に道はないんだから,そう走るわな.
ちなみに,アベレージは 32km といったところ.体感より意外と遅い.
7:40 上陸.
本来なら,徳島港の目の前から出ている徳島駅行きのバスに乗り,そこから淡路島行きのバスに乗り換えれば,公共の交通機関のみで淡路島に到達出来る.
が,俺はチャリに乗りに来ているのであり,余計な輪行はしたくない.
鳴門目指して一路北上!
徳島駅から 8:45 に目当てのバスが発車するが,鳴門の手前の「黒山」に到達するのは 9:20 であり,徳島で無駄に時間を潰すくらいなら,黒山まで走った方がよっぽどマシである.
黒山までの距離は約 20km なので,一時間ほど走ればちょうどバスが追い付くという寸法である.
写真は小鳴門橋.激坂なうえ,路肩もなにもねー!
と,その下の競艇場.
たかが 10 分程バスに乗り,淡路島南IC に到着!
人生三度目の淡路島である.
風を考えて反時計回りの予定だったが,微風なので時計回りに変更.
多くの日本一周チャリダーは基本的に時計回りに走る.こうすれば,左側通行の日本では,海沿いを走れるのである.
瀬戸内海の漁船はよく船尾にスパンカーを張っている.謎.
一度目の淡路島は,15年程前に友達と一緒にオートバイでキャンプに来た.
確か俺は初期型 SRX-400 で,友達が GB-250 クラブマンだったか.
その後にも10台くらいオートバイを乗り換え,同じようなツーリングをしたが,はじめて買ったバイクで,はじめてのロングツーリングだったので,記憶には結構よく残っている.
それ以前にもよくキャンプはしていたが,足はチャリンコであり,オートバイのおかげで飛躍的に航続距離が伸びた事が嬉しかった.
このあたりの路上で馬鹿話をしながら昼飯を食ったが,ちょうどその一週間後に阪神淡路大震災が来て,バキバキに割れたこの道路がニュースで放送されていた.
そして月日は流れた.そんなお気楽な時代は遠に過ぎ去ってしまったな.
こんなもんが出来ていた.和歌山よりよっぽど進んでるな.
ソラリスの海.
帰ったらソラリスの DVD でも見るか.スタニスワフ・レムの原作も良いよなー.
二度目の淡路島は,10年程前に泉大津から 30 フィートのヨットでこの波止場まできた.
ヨットにとっては,明石海峡は潮流の激しい部類に入るので,機帆走でも潮の流れを計算に入れてコースを組み立てる必要があった.
ヨットの持ち主とその友達のおっさんは「かんぽの宿」に泊まったが,俺は仕事があったので淡路交通のバスで洲本まで,そこからフェリーで大阪まで戻り,南海電車で帰った記憶がある.
神戸が見えてきやがった.
明石海峡大橋.デカすぎ!
何故かこの橋がまだ開通していなかった頃の記憶があるのだが,前生の記憶だろうか?
神戸発展しすぎ!
そしてその対岸のジュラシックパーク…じゃなくて淡路島.
ちょうど昼過ぎなので飯を食う事に.
明石まで来てタコでもなんでもなく,そのへんのファミマで「マーボー丼」を食った;;;
このローソンは大阪側のどこかにあったローソン.色が違う.
ちなみに,数えた限りでは,淡路島に 13軒のコンビニがあった.
大半はファミマとローソンであり,セブンイレブンが 1軒だけあった.
島全体でも,コンビニの数は恐らく 20軒以内と思われる.
世界の三馬鹿は「エジプトのピラミッド,中国の万里の長城,日本の戦艦大和」と言われているが,四つ目があるとすれば,間違いなくこの淡路の大仏であろう.
城ヶ崎が見えている.
べた凪だし,GPS では 10キロくらいなので,泳いで渡れそう.
洲本まで来て,島の真ん中を通る国道 25 号を行くか,南端を極めるかの決断に迫られた.
時間的にはショートカットすべきだが,それだと「淡路一周」とは言えない.
4:30 のバスに乗る為には,アベレージ 30km/h 以上が必要と思われた.
まだまだ足が残っているので挑戦したが,南端の由良あたりからワインディングに….
標高では 150m 程なので大した事はないが,時間のない今日はかなりきつい.
こりゃ終わったと直観.
この後もこぶが連続で来て,実際には 1時間30分 の遅刻であった(笑).
淡路島の南にある「沼島」.
小さな渡し船が出ていて,町もある.
洲本から25号で南淡路市に到達するのがデフォルトであり,そもそもこんな所は,淡イチ野郎しか通らない.
洒落になってない激坂の途中に,ツールヲタクによるものと思われるこの落書きを見つけた.
頑張れとか,あと少しとか書かれていた(余計なお世話やっちゅーの;;).
大鳴門橋.
一度目のキャンプで,この橋が見える瀬戸内海側にテントを張った.
風がきつく,テントのポールが擦れて,コンクリートが 2cm 以上の深さに削れてしまった事には驚いた.
もうマジでヘロヘロになりながら,淡路島南IC に戻ってきた.
このインターチェンジ,ドがつく程の山の中にあって,電話ボックスが一台ある他は機動隊の建物だけで,自販機すらない(機動隊の建物の中にはあったが,ドアが閉まっていた).
補給はだいぶ前の平地で済ませておく事が望ましい.
始バスで乗り込んで来て,昼休憩30分のほかは写真撮影の為に立ち止まるくらいで,カロリーメイトなんかも走りながら食ったが,それでも終バスの発車まで,50分の余裕しかなかった.
来る時はこの状態でバスに乗った(笑).
たかが 10 分の為に輪行バッグとか,面倒過ぎ.
ベルクロを忘れたので,道に落ちていたトラック用のゴムバンドを,ビクトリノックスで適度な長さに切って使った.
淡路島から徳島駅までバスで帰ってきた.
そのまま徳島港行きのバスに乗って,自走なしで和歌山まで帰る実験をしようと思ったが,バスの待ち時間がまた長く,しかも停車駅が多すぎて不快そう.
しょうがないのでまたチャリを組み立て,港まで自走.
本当はただ単に,コンビニを見つけて補給したかっただけである(–;;
そして一時間程フェリーを待ち,さらに二時間後,和歌山港が見えてきた.
狭い湾内で回頭し,バックで着岸!職人芸である.
所用時間は,和歌山港から徳島港間が二時間,徳島から淡路島までが(バスでも黒山までを自走した場合でも)およそ一時間,淡路一周がおよそ七時間強.
輪行費用は,フェリーが人間のみだと片道 2,000円,ただし,往復で買えば帰りは 1,800円,チャリを分解しないなら 600円上乗せ,バスが,黒山から淡路島南 IC 間(ひと駅)が 550 円,徳島駅から淡路島南 IC 間をフルに乗った場合は 1,100円である.
走行距離: 200.16km
走行時間: 9:40:08
平均速度: 20.6km/h
最高速度: 58.5km/h
総走行距離: 2,892.8km (アンタレス)
補給1: ダイエットビスケット 6×3 / 300kcal くらい
補給2: パン 2個,コーヒー / 400kcal くらい
補給3: カロリーメイト / 400kcal くらい
補給4: マーボー丼,ホットドッグ / 800kcal くらい
補給5: カロリーメイト / 400kcal くらい
補給6: おにぎり x2, パン / 600kcal くらい
補給7: アイス,コーヒー / 300kcal くらい
補給8: 鰯蒲焼き丼 / 600kcal くらい
【GPS ログ】
結構走った割には,珍しく膝はなんともない.
どうしても必要なところ(主に登りと下り)以外,全道程の半分くらいはクリートを外しながら走った事と,やっぱ,チャリ/荷物/人間の総重量がフル装備のギサロと比べてだいぶ(20キロくらい)軽いのが大きいと思われる.
ロードバイクで淡路島一周
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淡路島日誌、いいなあ〜、感動っす・・・・写真も素晴らしいですね>< 着々と日本一周準備してますね^^